書評

【アイデアのちから】6章物語性。物語には人を行動させる秘密がある。

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アイデアのちから

1章ごとにやってきました。そしてついにきました!

最終第6章!物語性!

 

その前にまずは

定番の6つの法則だけさらっとおさらいしちゃいます!

 

6つの法則

単純明快である

具体的である

意外性がある

信頼性がある

感情に訴える

物語性

 

時短したい人は、とにかくこれだけでも覚えると、アイデアの質がバッチリ上がると思います!

 

それと、良質なアイデアとは何かを判断するときにも役立つと思う!

アイデアの選定!っすね!

例えばどっちの案がいいか?と聞かれたときに、この6つの法則をどれくらい満たしているか、考えてみるだけでもけっこー面白い

 

とはいえ

 

これだけではなかなか実践的に使うのは難しい。この6つの言葉見ただけで、完璧に使いこなしたら、逆に怖いわ。。

 

というわけで

 

今回は6章

僕は個人的にめちゃくちゃ大好きな章

 

物語性!

 

はじめるよー

 

物語性

 

物語があると何でいいのか?って考えたことあります?

 

PTダイ
僕は正直、物語があった方が、共感できるし、感動するっしょ!みたいな軽いノリくらいにしか考えてなかったです。

 

 

ちゃんと考えてなかったなぁ。。。

わかった気でいたなぁ。。。

 

僕はこの物語性の章を読んでそう思いました。

 

 

たぶん僕も含めた多くの人がある勘違いをしている。

きっとあなたもこの物語性の真実を知ったとき、そう思う。

みんな勘違いしてるんじゃないかって

 

 

物語は教訓をもたらす

 

物語は教訓をもたらす。

 

本書;アイデアのちからに紹介されていた物語は医療現場についてだった。

 

医療現場で、1人の看護師が異変に気付いたことで、小児の命が救われた。

 

でもどうだろうこの一文だけじゃ、なんか別にぐっとくるものもないし、教訓も得られない。でも事実は事実。

 

PTダイ
一文で書いちゃうと、物語性はなくなる。内容は同じなのに、こんなにも違いが出る。

 

というわけで、実際に比べてみよう!

 

物語で語る。事実を告げる。どちらが効果的?

 

実際に本に載っていた物語を引用する。

 

物語と一文で表した場合を比べてみよう。

 

 

物語

アイデアの力p278より一部抜粋

重症の新生児の処置.観察を行う新生児治療室で働く看護師が、数時間前からある赤ん坊の様子を見守っていた。肌が赤みががった健康的な色かXら、病的にくすんだ色に時折変わる。問題がある兆候だ。

そんな矢先、赤ん坊がみるみる土色になった。看護師は愕然とした。その場にいたスタッフが大声でx線技師と医師を呼んだ。

集まった医療チームは、肺虚脱とみなした。人工呼吸器をつけている赤ん坊によく見られる症状だ。医師らは肺虚脱の処置として、胸に穴を開けて管を通し、しぼんだ肺を周りから空気を吸い出して、をふくらませようとした。

しかし看護師は肺ではなく、心臓に問題があると見ていた。土気色の肌は気心膜症を思わせる。気心膜症とは、心臓を取り巻く膜の中に空気が入り、心臓を圧迫して鼓動を妨げる症状だ。

看護師はぞっとした。以前見た気心膜症の赤ん坊は、診断さえ受ける前に死亡した。

誰もが慌ただしく、肺の処置の準備をしている。彼女は「心臓です!」といって止めようとしたが、別のスタッフがさした心臓モニターを見ると、心臓に異常はなかった。心拍数は1分間に130、新生児としては正常だ。それでも看護師は諦めなかった。医師やスタッフの手を払いのけ、静かにと叫んで黙らせると、赤ん坊の心臓に聴診器を当てた。

音がしない。心臓が止まっている。

看護師が赤ん坊の胸部圧迫を始めたとき、新生児治療の主任医師がかけつけた。看護師は医師に注射器を渡し、「気心膜症です。心臓に注射を」と言った。

ようやくCTスキャン画像が上がってきて、x線技師も看護師の診断を裏付けた。医師は注射器を赤ん坊の心臓にさし、心臓を圧迫していた空気をゆっくりと抜き取った。赤ん坊は一命を取り留め、徐々に正常な肌色を取り戻した。

医療チームは、心臓モニターで心停止が確認できなかった理由をあとから気付いた。モニターは実際の鼓動ではなく、電気活動を読み取る。心臓の神経は、正常なリズムで懸命に信号をはっしていたが、肝心の心臓は心膜内の空気に圧迫されて収縮できなかった。看護師が聴診器に耳を当てて、鼓動を確認し、ようやく心臓が止まってることがわかったのだ

 

 

これが実際の物語。一方でこれを文章で羅列してみるとどうだろう。

 

事実は同じ

小児医療の看護師は、周りのスタッフの間違いに気づき、声を上げた。

みんな肺に問題があると思っていたが、実は心臓に問題があった。

心臓の問題を見落としていたのは、心電図モニターは電気活動を読み取っていたため、正常に動いていた。神経から出る電気信号は正常だったが、心臓は動いていなかった。実際に聴診器を心臓にあてることで、動いてないことがわかった。

1人の看護師の勇気ある行動で、赤ちゃん1人の命が救われた。

 

こんな風に箇条書きにすると、一気に物語性は薄れる。

 

でも書いてある内容は同じ。

だけどどうだろう

 

記憶に残るのは?

どっちだろうか

 

教訓や学びや、感動までも?

 

この物語

看護師の物語はひとつ大切な教訓

みたいなことを教えてくれる。

 

物語を思い出すとまず

気心膜症の症状

という誤りやすい症状がある。という教訓がある。

 

機械に頼り過ぎると診断を誤る

 

という大きな教訓もあるし、実際に気心膜症の場合はどう行動すればいいのか?というHOW TO的な要素もある

 

でもこれだけじゃない。

むしろこれだけだと、医療従事者にしか役に立たない。

 

それ以外にもこの物語をよんで感じることがある

あなたも感じたと思う。

そう

女性看護師の勇気

 

勇気をくれた

 

女性看護師の勇気ある行動が1人の赤ちゃんを救った

 

これを物語として書いてあるもんで、まじで勇気をもらえるわけだ。

 

医療現場って、テレビドラマとかでもあるように、やっぱり医者が一番偉くて、みんな医者の指示のもとに動くってのが基本。っていう流れがある。

 

そもそもコメディカルって医者の仕事を分担していくみたいな意味合いがあるもんで、やはり医者はそれに見合った権限も持ってるし、医療職の中で一番、たくさんの指示を出せる人。だ

 

そんな医者に対して、一刻を争う緊急の現場で、間違いない100%の確証もない中で(画像所見がまだ届いていない)、声を上げた女性看護師!

 

この状況、この物語から勇気をもらった人はめちゃくちゃ多いと思う。

 

そしてこの勇気ある行動が1人のあかちゃんを救った。

 

事実の羅列だけだと、へぇーで終わる。僕もそうだし、あなたもそうだと思うけど、勇気ある女性看護師の一声で赤ちゃんの命が救われた!

とだけ言われても、へぇーすごそうだなぁなんか、とは思うけど、そこから教訓や共感はあまり得られない。

 

物語であるからこそ

 

そこに教訓や共感、学びが得られた。

 

まとめ

 

まとめると

この物語には2つの効果がある。

 

まとめ

1.シミュレーション(いかに行動すべきかという知識)

2.元気付け(行動する意欲)

 

という2段階の効果がある。

大事なことはシミュレーションも元気付けも行動を生み出す効果があるということ。

 

今までのアイデアのちからまとめでも見てきたように

信頼性のあるアイデアは信じてもらえるし

感情に訴えるアイデアは心にかけてもらえる

 

今回は適切な物語が人を行動へ駆り立てるかを

もう少し深掘りしていく

 

6章も後篇へ続く。

 

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